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天空のエスカフローネ

タイトル

一応ロボットアニメに分類されるのでしょうが、全体的にファンタジックで少女マンガチックな作品です。

主人公の神崎ひとみを中心に物語が展開していきます。ロボットのデザインもモビルスーツよりもオーラバトラーのような感じです。「絶対幸運圏」とか「幸運血液」「運命改変装置」といった独特のネーミングが楽しいです。今考えると、「ウ○ナ」はこの雰囲気を真似たような気もします。

それにしても、「狂気の美少年」、ディランドゥが実は女性、というのは反則では…。(^^;

あと、TVアニメで本格的にCGが導入された最初の作品らしいです。第1話の冒頭のドラゴンの出現シーンを始めて見たときは何かと思いました。今でこそ「アニメにCG」ってのは珍しくないですが、当時は相当なインパクトがありました。
オススメ度:☆☆☆


伝説巨神イデオン

タイトル

富野由悠季(当時:喜幸)監督が「ガンダム」の後に作った作品です。

何しろあの「ガンダム」の後ということで相当盛り上がったようですが、「ガンダム」同様、打ち切りの憂き目に遭ってしまいます。TV版最終話の最後の最後でいきなり

「人類に絶望したイデはその無限力を解放させたのだ。地球も、バッフ・クランの人々も因果地平…すなわち、宇宙の果てへ四散したのかも知れなかった」

と言って終わってしまうのはあまりに唐突です。

しかし、「ガンダム」の劇場版公開で盛り上がっていたこともあり、「イデオン」も「接触編(総集編)」「発動編」という2本同時公開(ダブル・リリース)がされました。今度は人々の魂は単に四散するのではなく、メシアという新しい命に導かれていくのですからまだ救いがあるような気もします。

ちなみに、小説版はもっと悲惨です。キッチ・キッチンはTVではバッフ・クランに殺されましたが、小説では…。
知りたい人は小説版(朝日ソノラマまたは角川書店)を読んでください。第2巻「胎動編」です。(朝日ソノラマ版)また、深く知りたい人には太田出版の「イデオンという伝説」という本をお薦めします。\1,900とちょっと高いですが、単なる「謎本」とは一線を画しています。
オススメ度:☆☆☆☆☆


To Heart

タイトル

1997年4月25日にリーフ(株式会社アクア)からWindows95用として発売された18禁ゲーム、「To Heart」をルーツとする作品です。マニアの間では「東鳩」などと俗称されますね。だが、このアニメ版と時を同じくして発売されたPS版ではSCEの倫理規定に合わせたため、18禁シーンはカットされています(ちなみに、PS版やアニメ版では「アクアプラス」という別会社を作り、18禁ソフトが原作である事を隠そうとしている)。世の中には自分の好きなキャラの18禁シーンを見るのは嫌、という人が少なからずいる事と、より対象年齢を広げて、売上を伸ばす事を考えれば妥当な処置といえるのでは。

ちなみに、18禁ソフトのチラシと言えば、問題のシーン(笑)を前面に押し立てて、アダルトビデオのパッケージのような作りである事が多いですが、PC版のチラシは綺麗にまとまっています。あってもせいぜいパンチラ程度。もちろん、まさにアダルトビデオ感覚の売り方を前提にしていて、前面に押し立てないと売れないような中小メーカーと違い、リーフは「雫」「痕」と言ったヒット作を出していて、発売前からある程度の売上が見込めていたからかも知れませんが。

アニメ版はこのPS版のストーリーにほぼ忠実で、ラブコメ路線の作品になっています。こう書くと、「俺はゲームなんかやらないから」という人が出るかもしれませんが、心配ご無用。私もPC/PSともにゲームをプレイした事はありませんが、十分楽しめました。どうも最近の作品は視聴率重視の風潮を反映してか、無理やり事件を起こして、上っ面の派手さを狙う、という傾向がありますが、この作品は全体的にゆったりとした印象を与え、見ていて肩が凝りません。

作品を見た感想としては、ラブコメというにはややコメディ色が薄く、主人公・浩之と幼なじみの神岸あかりを中心にして、高校生の生活を丁寧に描いており、好感が持てます。「高校生の生活を丁寧に」と書きましたが、この作品の超人気キャラ、マルチはトライアルテスト中のメイドロボットだったりと、設定自体は「そんな事現実にある訳ねぇだろ」的な、結構いい加減な物ですが(^^;、画面上ではあまりそれを感じさせないのはストーリー作りと演出の上手さの賜物。(これは「ときめきメモリアル」にも通じます。世界征服を狙う女子高生とか、普通は考えられませんよね?)

このように、私はこの作品はかなり出来がいいと思っていますが、ゲームをプレイした人にとってはやはり物足りないようです。特にマルチを扱った、#10「夢見る笑顔」、#11「ぬくもりの瞳」についての反響(批判?)は大きいです。が、私はあれで十分だと思います。もともとがファンタジーなんだし、そう考えれば、やいのやいのと言うほどの物ではないのでは。ただ、全13話で構成されていますが、この話数ではやはり個々のキャラクターを掘り下げるには時間不足の感が否めません。

主人公を除けば、あかりと志保の話が半分以上で、他のキャラについては、登場回だけスポットが当たり、あとはさっぱり、というパターンが大半。この手のマルチエンディング型ゲームはキャラクターの人気が分散しやすい事を考えると、好きなキャラがあかりでも志保でもマルチでもない人にとっては辛いかもしれません。

ちなみに、チャットルームで管理人をしている(システムメッセージを出している)「HMX-12AM」ってのは「HMX-12 Anna Mirror's Custom」です(爆)

個人的見解として、今のアニメは回転率などの観点から、半年26話で終わる作品が多いですが、実際のところは3ヶ月13話で十分だと思います。富野由悠季は当初TV作品として企画されながら、劇場作品となった「機動戦士ガンダムF91」について、「一年間のシリーズを支えるだけのポテンシャルがなかった」と言っていますが、この表現を借りると、どうも今の作品の多くは半年を支えるポテンシャルすらないように思えます。そう考えると、「万能文化猫娘」のTVシリーズは13話ですが、テンポ良くまとまった良作になっています。もしもこれを半年、一年と続けたら、マンネリ化していたでしょう。実際、TV局などもそう考えているのか、全13話の作品は増えてきています。

だが、この作品に限っては、半年続けた方が良かったと思います。先述のように、「あなたの好きなキャラがアニメになって、しゃべって、動いてます」の域を出ていないのも、時間不足が大きな要因だと思えます。出来れば、TVの「逮捕しちゃうぞ」のように、以前の作品(ここではOVAでしたが)を叩き台にして再構築するくらいの事をして欲しいですね。
オススメ度:☆☆☆☆


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